副業として人気が高い「せどり」ですが、最も重要な作業が仕入れです。
どれだけ上手に販売できても、仕入れで失敗すれば利益が残りません。
しかし初心者の方からすると、
どこで仕入れるの?
店舗とネット、どっちが稼げる?
何を基準に商品を選べばいい?
など、わからないことだらけではないでしょうか。
そこで本記事では、せどりで利益を出すために欠かせない
- 店舗せどりとは?
- 電脳せどりとは?
- それぞれの特徴・おすすめ仕入れ先
- 初心者が必ず守るべき仕入れ基準と利益計算
について、初心者の方でも迷わないように丁寧に解説します。
最後まで読んでいただければ、
何を、どこから、どんな基準で仕入れればいいのかが明確になり、
今日から利益を生み出せるリサーチができるようになります。
では早速、せどりの仕入れについて見ていきましょう。
店舗せどりとは?
店舗せどりとは、実際のリアル店舗に足を運び、商品を仕入れてフリマアプリやネットショップで販売する方法です。家電量販店やディスカウントストア、リサイクルショップ、ホームセンター、ドラッグストアなど、日常的に利用しているお店がそのまま仕入れ先になります。
お店のワゴンセールや値下げコーナー、在庫処分品などから「ネット上の販売価格より明らかに安い商品」を見つけ出し、利益が出る価格で仕入れていくイメージです。
店舗せどりのメリット
店舗せどりの一番の強みは、商品を自分の目で見て状態を確認できることです。中古品であればキズや汚れ、付属品の有無、箱の状態などをその場でチェックできるため、コンディションによるトラブルを避けやすくなります。
また、店舗ごとに値付けのゆるさや処分セールのタイミングに差があるため、同じ商品でも「ある店では赤字価格、別の店ではしっかり利益が出る価格」で売られていることがあります。こうした価格差を自分の足で探せるのも店舗せどりのメリットです。
さらに、セール品や一点ものの掘り出し物に出会えることも多く、「その場限りの大きな利益」が狙いやすいのも店舗せどりの特徴と言えます。
店舗せどりのデメリット
一方で、店舗せどりには時間と体力が必要です。移動時間、店舗内のリサーチ時間、レジ待ちの時間など、どうしても「拘束される時間」が長くなります。車を使う場合はガソリン代や駐車場代もかかるため、交通費も含めて利益を考えなければなりません。
また、仕入れられる量には物理的な限界があります。持ち運べる量、保管スペース、レジでの会計時間などを考えると、「一回の仕入れで一気に大量仕入れ」というのは難しく、どうしても「コツコツ回数を重ねるスタイル」になりがちです。
さらに、人気エリアではライバルのせどらーも多く、良い商品はすでに抜かれていることもあります。その場合は、店舗を増やしたり、時間帯をずらしたりして工夫する必要があります。
店舗せどりのおすすめ仕入れ先
店舗せどりで相性が良いのは、次のようなお店です。
- 家電量販店のワゴンセール・値下げコーナー
- ディスカウントストアの在庫処分コーナー
- 中古家電やホビーを扱うリサイクルショップ
- ホームセンターやドラッグストアの特売棚・季節外れ商品
これらの店舗では、型落ち商品や在庫過多の商品が大きく値下げされることがあり、ネット価格との価格差が生まれやすくなります。
店舗せどりに向いている人
店舗せどりは、次のようなタイプの人に向いています。
- 車や自転車で動き回るのが苦にならない人
- 実際に商品を手に取りながら判断したい人
- 「掘り出し物を探す宝探し」的な感覚が好きな人
- 休みの日に外出するきっかけが欲しい人
逆に、まとまった移動時間を取りにくい人や、人混みや移動が苦手な人は、電脳せどりの方がストレスなく続けやすい場合が多いです。
店舗せどりの仕入れ判断のポイント
店舗せどりでは、店内でスマホを使いながらリサーチを行います。具体的には、仕入れを検討する商品があれば、その場で自分が販売予定のフリマアプリやマーケットプレイスで同じ商品を検索し、販売価格と売れ行きをチェックします。
その際、「利益率」「利益額」「売れ行き」の三つを必ず確認します。利益率が15%以上あるか、利益額が十分か(月数百円ではなく、あなたの基準に見合うか)、そして過去にどれくらいのペースで売れているかを総合的に見て、仕入れるかどうかを判断していきます。
電脳せどりとは?
電脳せどりとは、インターネット上のショップやフリマアプリから商品を仕入れ、その商品を別の販売先(メルカリ・ヤフオク!・Amazonなど)で販売して利益を取る方法です。自宅のパソコンやスマホだけで完結し、店舗に出向く必要がありません。
たとえば、楽天市場やYahoo!ショッピングでポイント還元を活用しながら安く購入し、メルカリや別のモールで販売する、といったやり方が典型的な電脳せどりのスタイルです。
電脳せどりのメリット
電脳せどりの最も大きなメリットは、自宅にいながら仕入れができることです。仕事から帰ってきた夜や、すき間時間でもパソコンやスマホさえあればリサーチと仕入れが進みます。
また、楽天市場やYahoo!ショッピングなどの大手モールは、ポイント還元やセールイベントが非常に充実しています。とくに楽天市場は、SPU(ポイント倍率アップ)やお買い物マラソン、5と0のつく日など、条件を整えることで実質仕入れ値を大きく下げることができます。こうしたポイント還元まで含めて利益計算できれば、見た目の価格以上に高い利益率を出せるのが電脳せどりの強みです。
さらに、過去の販売履歴をデータとして追いやすいのも電脳せどりのメリットです。ブラウザ上で複数タブを開き、「仕入れ先の価格」「販売先の価格」「過去の売れ行き」を同時に確認できるため、効率良く仕入れ判断を進められます。
電脳せどりのデメリット
一方で、電脳せどりでは実物を手に取れないため、特に中古品ではコンディションの見極めが難しくなります。商品説明や写真だけでは分からないキズや汚れがあったり、付属品が不足していたりするリスクは避けられません。
また、ネット上の情報だけで仕入れられるためライバルも多く、人気商品はすぐに価格競争になりやすいという弱点もあります。同じ商品を同じような価格で出品する人が増えると、想定していたよりも安くしか売れなくなる可能性があります。
さらに、クリック一つでまとめ買いができる分、「気がついたら在庫が増えすぎていた」という事態にもなりがちです。資金管理と在庫管理をシビアに行わないと、キャッシュフローが苦しくなってしまいます。
電脳せどりのおすすめ仕入れ先
電脳せどりと相性が良い主な仕入れ先としては、次のようなサイトが挙げられます。
- 楽天市場
- Yahoo!ショッピング
- ヤフオク!
- メルカリなどのフリマアプリ
- メーカーやショップの公式オンラインストアのアウトレットページ
この中でも特におすすめなのが楽天市場です。理由は、ポイント還元が非常に強力で、条件を整えれば実質的な仕入れ値を大きく下げられるからです。同じ商品でも、ポイントを加味すると「他のモールよりも楽天で仕入れた方が結果的に安くなる」ケースが多くあります。
一方で、ヤフオク!やフリマアプリは一点ものの中古品が中心で、「たまたま相場より安く出ている商品」を拾うイメージです。公式アウトレットは新品・未使用品を安定して仕入れたいときに向いています。
店舗せどりと電脳せどりの使い分け
店舗せどりと電脳せどりには、それぞれ得意な場面があります。どちらが「正解」かではなく、自分の生活リズムや得意分野に合わせて使い分けるのが現実的です。
平日の日中に時間が取りづらい社会人の方であれば、平日は電脳せどりでリサーチと仕入れを進め、週末に店舗せどりで一気に仕入れる、といった組み合わせも有効です。逆に、車を持っていて行動範囲が広く、外回りの仕事のついでに店舗を回れる方であれば、店舗せどりをメインにしつつ、電脳せどりで不足分を補うスタイルも考えられます。
どちらも経験してみて、「自分はどちらの作業がストレスなく続けられるか」を基準に、徐々に比率を調整していくのが良いでしょう。
仕入れのリサーチ方法
ここからは、店舗せどり・電脳せどりのどちらにも共通する「仕入れのリサーチ方法」について解説します。大切なのは、感覚ではなく数字に基づいて判断することです。
売れる商品を探す基準
まず、仕入れ候補の商品が「そもそも売れるのか」を確認します。ここで見るべきなのは「過去の売れ行き」です。
メルカリなどのフリマアプリであれば、検索画面で「販売中」だけでなく「売り切れ」に絞り込み、その商品がどのくらいの頻度で売れているかを確認します。さらに、新着順で売り切れ商品を眺めていくと、今どんなジャンルや価格帯の商品が動いているのかも把握しやすくなります。
目安としては、「1か月の間に6個以上売れている商品」であれば、回転が悪くないと判断できます。月に1〜2個しか売れていない商品だと、出品してから売れるまでにかなり時間がかかる可能性が高いため、初心者のうちは避けた方が安全です。なお、出品数は基準にしません。出品している数が多くても、実際に売れていなければ意味がないので、「売れた数」だけを見るようにしてください。
このとき、中古商品の場合は自分が出そうとしている商品の状態に近い出品を参考にすることが重要です。キズや汚れの有無、付属品の完備状況、箱や説明書の有無などによって、同じ型番でも売れやすさと相場は大きく変わります。
利益率と利益額の考え方
次に、「売れる商品」であることを確認できたら、利益がどれくらい出るかを計算します。
基本の考え方は次のとおりです。
想定販売価格 −(仕入れ値 + 販売手数料 + 送料)= 利益
そして、
利益 ÷ 想定販売価格 × 100 = 利益率(%)
という形で利益率を求めます。
このときの仕入れ基準として、利益率15%以上を一つの目安にしてください。たとえば、販売価格が10,000円の商品なら、少なくとも1,500円以上の利益が出る状態を目標にします。
ただし、ここで注意したいのが「利益率」と「利益額」のバランスです。元手資金が少ないうちは、損失を出さないことが最優先なので、利益率を重視した方が安全です。ある程度資金が増えてきたら、利益率だけでなく「1個あたりの利益額」が大きい商品も積極的に狙っていくと、売上と利益の伸びが早くなります。
仕入れ判断の例
具体的なイメージを持てるように、簡単な例を挙げます。
ある家電を店舗で見つけ、仕入れ価格が6,000円だったとします。同じ商品をメルカリで調べると、直近の売れ行きが良く、9,000円前後で売れていました。メルカリの販売手数料は10%、送料が700円かかったとすると、
- 販売価格:9,000円
- 手数料 :900円
- 送料 :700円
となり、
利益 = 9,000円 −(6,000円+900円+700円)= 1,400円
このときの利益率は、
1,400円 ÷ 9,000円 × 100 ≒ 約15.5%
となり、利益率15%の基準をわずかに超えています。さらに、過去1か月で同じ商品が6個以上売れているのであれば、「回転も悪くなく、基準に合う仕入れ」と判断できます。
逆に、利益率が15%を大きく下回る場合や、過去の売れ行きがほとんどない場合は、たとえ安く見えても仕入れを見送る勇気が必要です。
中古品のチェックポイント
中古品を扱う場合は、利益計算に加えて「状態」と「付属品」を必ず確認します。
同じ型番の商品でも、状態が良いものと悪いものでは相場が大きく変わります。自分が仕入れようとしている商品と、フリマアプリで売れている商品の状態が近いかどうかを、写真と説明文からしっかり確認してください。
具体的には、
- 本体に目立つキズや汚れがないか
- 動作に問題がないと説明されているか
- 箱・説明書・ケーブル・リモコンなどの付属品が揃っているか
- タバコやペットなどのニオイについて言及がないか
といった点を確認します。同じような状態の商品がどのくらいの価格で、どの程度のペースで売れているかを見たうえで、仕入れ判断を行うことが大切です。
仕入基準を決める
ここまで見てきたように、せどりの仕入れでは「なんとなく安そうだから」という感覚で仕入れてしまうと、在庫ばかり増えて資金が減っていきます。それを防ぐために、あらかじめ自分なりの仕入れ基準を決めておきましょう。
たとえば、
- 利益率は最低でも15%以上
- 月に6個以上売れている商品だけを仕入れる
- 中古品は自分が納得して使えるレベルの状態に絞る
といったルールです。
さらに、資金状況に応じて「最低限欲しい利益額」も決めておくと判断しやすくなります。資金が少ないうちは、「利益率重視で小さく深く仕入れる」イメージで、損失リスクを抑えることを優先します。資金が増えてきたら、「1個あたりの利益額が大きい商品」も候補に入れ、利益の厚みを増やしていくと良いでしょう。
大事なのは、一度決めた基準を簡単に崩さないことです。基準を守ることで、「売れる商品だけが在庫として残る状態」に近づいていきます。
自分に合った仕入れスタイルを選ぶ
せどりの仕入れには、正解のパターンはありません。店舗せどりと電脳せどりのどちらにも魅力と弱点があり、あなたの生活スタイルや性格によって向き不向きが分かれてきます。
外出が苦にならず、掘り出し物探しが好きな人は、店舗せどりから始めると楽しみながら経験を積みやすいでしょう。一方、自宅で落ち着いて作業する方が好きな人や、まとまった自由時間が取りにくい人は、電脳せどりを中心に進めた方が続けやすいはずです。
もちろん、どちらか一方に絞る必要はありません。最初はどちらも少しずつ試し、続けやすい方を軸にしながら、もう片方をサブとして活用する形でも問題ありません。
まとめ
せどりで安定して利益を出すために、最も重要なのは「どこで、何を、どんな基準で仕入れるか」を明確にすることです。
店舗せどりは、実物を見ながら掘り出し物を探せる反面、時間と体力が必要です。電脳せどりは、自宅で完結しポイント還元も活用できる一方、現物を確認できないリスクやライバルの多さという課題があります。
どちらの手法を選ぶにせよ、
- 過去の売れ行きを確認する
- 利益率15%以上を目安にする
- 中古品は状態と付属品を丁寧にチェックする
という基本は共通です。
まずは小さく試しながら、自分なりの仕入れ基準とスタイルを固めていきましょう。基準を守って仕入れを積み重ねていけば、「これは仕入れても大丈夫そうだ」という感覚も徐々に磨かれていきます。
今日お伝えした内容を踏まえて、ぜひ一度、ご自身が普段使っているフリマアプリの「売り切れ商品」を眺めてみてください。どのような商品が、どのくらいの価格で、どれくらいのペースで売れているのかが見えてくるはずです。
そこからが、せどりの仕入れのスタートラインです。